「こんな陽気はなかなかないですよ!」

地元の人も驚く好天のもと、
4月26日(土)13:20 仙台空港に到着。 

参加者は、同窓会会長、学校長、元教員など
合わせて9名。
当初募集していた『最少催行人数20名』には至らなかったが、 
現地旅行会社にご尽力いただき、なんとか実現した。

空港からワゴン車に乗り込み、
名取市閖上地区にある日和山献花台へ。
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ガイドとして同行していただいたPHOTOスタジオONEの斎藤さんに、
被災前の同地区の写真を見せていただきながら、説明を受ける。

漁業で栄えていた町は、津波によって壊滅。
小高い丘の上にあるこの献花台から360度見渡すと、
住宅基礎部分だけが残った荒涼とした景色が広がっている。
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参加者全員が1束ずつ献花。(紫のリボン)


献花を終えた後、同地区の復興商店街「閖上さいかい市場」にて、
しばしのお買い物タイム。同時に花見用のオードブルと飲物を調達。

この「さいかい」という言葉には、
震災によって停止していた事業の「再開」と
お客様との「再会」の両方の願いが込められているそうだ。

<ご協力いただいたお店>
・(花見用のオードブル)漁亭 浜や
・(花見用の飲料)有限会社佐々木酒造店
・(献花用花束)小熊生花店

また、本プロジェクトで委託販売させていただいている写真集
『閖上地区の全記録』を発行しているPHOTOスタジオONEさんも
同商店街内にあり、献花台でその現状を目の当たりにした参加者が
写真集を購入する姿もあった。


そして、今回の最大の目的である
花見会場(仙台市宮城野区扇町一丁目公園)へ移動。

例年より暖かく、開花後の雨風も作用して、
花はほとんど散ってしまっていたが、
仮設住宅の皆さんがブルーシートとテーブルを準備して
出迎えてくださった。
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御礼を述べる川邊会長。

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新聞部が発行する校内紙などを紹介しながら、挨拶する相良校長。

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乾杯の音頭を、扇町一丁目公園応急仮設住宅「おにぎり会」の顧問の方に
とっていただき、花見会スタート。

1年前に植樹を記念して訪れた時も、
歌や小噺などで歓迎していただいたが、
今回はそれに踊りまで加わり、
終始楽しく歓迎していただいた。
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数々の歓迎に感謝の意を表して、
福岡ならではの『黒田節』を披露する川邊会長と、
それに合わせて舞を披露する「おにぎり会」の宴会部長さん。
打ち合わせナシとは思えないほど、息の合ったコンビネーションに
全員から惜しみない拍手が送られた。

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シンボルツリーの花。
「仙台は1年の半分が冬みたいなもの。だから、成育スピードは通常の半分。」と、
植樹を施行していただいた株式会社東北造園の淺田社長。

5本のシダレザクラが、
見る人の心を魅了するような立派な花を沢山咲かせるには、
まだまだ時間がかかりそうだ。

「それぞれが元の生活に戻るために、仮設住宅から出て行くのが一番だが、
例えここに人が居なくなったとしても、またこうした花見会で集まりたい。」と
世話役の方から有難いお言葉をいただきながら、花見会は終了。
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最後は「福岡の皆様 ありがとう!!」の横断幕で、お見送りしてくださり、
我々のワゴンが見えなくなるまで手を振り続けてくださった。

同時に「また来年!」と声を掛けてくださり、
この花見会を通じて皆さんとの親睦深め、
被災地復興の小さな一助として本プロジェクトを継続する意義を
再確認した。

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集会所の中には、このような垂れ幕を準備してくださったのだが、
外での花見終了後にバタバタと宿泊先へ向かってしまったため、
参加者は見ることが出来なかった…。
※翌日(4/27)に再び同集会所を訪れて撮影。


前日に引き続き快晴となった翌日4月27日(日)。
フリータイムを利用して、ほとんどの参加者と一緒にレンタカーにて
石巻市~東松島市野蒜地区~宮城郡松島町へ。
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津波による直接的被害と、火災によって全焼した石巻市門脇小学校。

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津波の威力を物語る門脇小学校のブロック塀跡。

地震直後の津波警報を受け、すでに下校していた一部児童を除く約275名は
校長とともに高台に避難し無事だった。

津波は電柱をなぎ倒しながら、凄い勢いで接近。
校舎に激突した自動車のガソリンに引火したとみられる火災で、
全焼したという。

校舎は海岸線に向かって立っており
建物を背にして海岸線に目を向けると、
前日に訪れた名取市閖上地区と同様、
住宅基礎部分だけが残された景色が広がっていた…。

その後、レンタカーを走らせ、東松島市野蒜地区を経由して
宮城郡松島町の「松島さかな市場」へ。
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観光地として有名な松島は、点在する小島が防波堤となり、
津波の被害は最小限に食い止められた地区ではあるが、
外国人観光客の減少や原発事故の風評被害などによって
海産物などの売上が減少しているという。

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松島の海産物が一度に楽しめるオススメの「春の陣 正宗丼」。

その他、「45分2,000円で焼がき食べ放題」など、
活気に溢れた市場は、松島を訪れた際に是非とも立ち寄ってほしいスポット。



今回のツアーを通して感じたことは、
「真の復興とは何なのか」
「3年という月日は何だったのか」
「時間の経過は人にだけ流れるのか」
という大きな疑問だった。

仮設住宅にしても
被災地にしても…そこに暮らす人々はしっかり前を向いている。

しかし、
変わり果てた地元の姿に、どのような未来を描くのか…。
どうすれば本当の「復興」となるのか…。
それぞれの想いが交錯していくなか、時間だけが過ぎているようにも思えた。

だからこそ、小さくとも地道に…そして着実に進むしかない。
遠く離れた福岡からでも、出来ること・続けられることを
考え、感じ、実行していくしかないのではないだろうか。

今回得たヒントを大切に活かし、
本プロジェクトの次策をしっかりと決め、
実施したいと思う。


プロジェクト・大濠SPIRITS
責任者 安部晃之輔