《広報》プロジェクト・大濠SPIRITS

福岡大学附属大濠高等学校同窓会・東日本大震災被災地支援活動「プロジェクト・大濠SPIRITS」の活動状況や支援計画などをお知らせするブログ。

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2013年に宮城県仙台市宮城野区扇町一丁目公園に植樹したシダレザクラですが、植樹後の生育に問題があり…このままでは枯れるだけということで、先月、植樹を施工していただいた株式会社東北造園様が、御厚意で新たなシンボルツリーに植替えて下さいました。
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当初より「この公園は水捌けが悪い土地だから、盛り土をしておきましょう。」と、しっかり対策をしてくださったのですが、昨年から雨が続く日が多かった為、根腐れを起こしてしまったようです。

「今度はバッチリ活着してくれると思う。」と、同社社長の浅田様より頼もしいお言葉をいただきました。
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 その証拠に植替え直後の枝からは若い芽が出てきており、まだまだ幹は細いですが、来年には少しなりとも開花が期待出来そうな気配です。

同公園内の応急仮設住宅では、植樹時に居住されていた半数以上の方々が新たな生活を始めるべく退居されたそうですが、まだご年配の方が多く残られているということで、このシンボルツリーが四季を通じて残られた皆様の「楽しみ」になれば…と切に願っています。

来年は再度『花見ツアー』が実施出来るよう、このシンボルツリーの状況を見守っていきたいと思います。

これからも、本プロジェクトへのご理解とご協力を宜しくお願いいたします! 

「こんな陽気はなかなかないですよ!」

地元の人も驚く好天のもと、
4月26日(土)13:20 仙台空港に到着。 

参加者は、同窓会会長、学校長、元教員など
合わせて9名。
当初募集していた『最少催行人数20名』には至らなかったが、 
現地旅行会社にご尽力いただき、なんとか実現した。

空港からワゴン車に乗り込み、
名取市閖上地区にある日和山献花台へ。
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ガイドとして同行していただいたPHOTOスタジオONEの斎藤さんに、
被災前の同地区の写真を見せていただきながら、説明を受ける。

漁業で栄えていた町は、津波によって壊滅。
小高い丘の上にあるこの献花台から360度見渡すと、
住宅基礎部分だけが残った荒涼とした景色が広がっている。
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参加者全員が1束ずつ献花。(紫のリボン)


献花を終えた後、同地区の復興商店街「閖上さいかい市場」にて、
しばしのお買い物タイム。同時に花見用のオードブルと飲物を調達。

この「さいかい」という言葉には、
震災によって停止していた事業の「再開」と
お客様との「再会」の両方の願いが込められているそうだ。

<ご協力いただいたお店>
・(花見用のオードブル)漁亭 浜や
・(花見用の飲料)有限会社佐々木酒造店
・(献花用花束)小熊生花店

また、本プロジェクトで委託販売させていただいている写真集
『閖上地区の全記録』を発行しているPHOTOスタジオONEさんも
同商店街内にあり、献花台でその現状を目の当たりにした参加者が
写真集を購入する姿もあった。


そして、今回の最大の目的である
花見会場(仙台市宮城野区扇町一丁目公園)へ移動。

例年より暖かく、開花後の雨風も作用して、
花はほとんど散ってしまっていたが、
仮設住宅の皆さんがブルーシートとテーブルを準備して
出迎えてくださった。
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御礼を述べる川邊会長。

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新聞部が発行する校内紙などを紹介しながら、挨拶する相良校長。

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乾杯の音頭を、扇町一丁目公園応急仮設住宅「おにぎり会」の顧問の方に
とっていただき、花見会スタート。

1年前に植樹を記念して訪れた時も、
歌や小噺などで歓迎していただいたが、
今回はそれに踊りまで加わり、
終始楽しく歓迎していただいた。
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数々の歓迎に感謝の意を表して、
福岡ならではの『黒田節』を披露する川邊会長と、
それに合わせて舞を披露する「おにぎり会」の宴会部長さん。
打ち合わせナシとは思えないほど、息の合ったコンビネーションに
全員から惜しみない拍手が送られた。

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シンボルツリーの花。
「仙台は1年の半分が冬みたいなもの。だから、成育スピードは通常の半分。」と、
植樹を施行していただいた株式会社東北造園の淺田社長。

5本のシダレザクラが、
見る人の心を魅了するような立派な花を沢山咲かせるには、
まだまだ時間がかかりそうだ。

「それぞれが元の生活に戻るために、仮設住宅から出て行くのが一番だが、
例えここに人が居なくなったとしても、またこうした花見会で集まりたい。」と
世話役の方から有難いお言葉をいただきながら、花見会は終了。
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最後は「福岡の皆様 ありがとう!!」の横断幕で、お見送りしてくださり、
我々のワゴンが見えなくなるまで手を振り続けてくださった。

同時に「また来年!」と声を掛けてくださり、
この花見会を通じて皆さんとの親睦深め、
被災地復興の小さな一助として本プロジェクトを継続する意義を
再確認した。

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集会所の中には、このような垂れ幕を準備してくださったのだが、
外での花見終了後にバタバタと宿泊先へ向かってしまったため、
参加者は見ることが出来なかった…。
※翌日(4/27)に再び同集会所を訪れて撮影。


前日に引き続き快晴となった翌日4月27日(日)。
フリータイムを利用して、ほとんどの参加者と一緒にレンタカーにて
石巻市~東松島市野蒜地区~宮城郡松島町へ。
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津波による直接的被害と、火災によって全焼した石巻市門脇小学校。

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津波の威力を物語る門脇小学校のブロック塀跡。

地震直後の津波警報を受け、すでに下校していた一部児童を除く約275名は
校長とともに高台に避難し無事だった。

津波は電柱をなぎ倒しながら、凄い勢いで接近。
校舎に激突した自動車のガソリンに引火したとみられる火災で、
全焼したという。

校舎は海岸線に向かって立っており
建物を背にして海岸線に目を向けると、
前日に訪れた名取市閖上地区と同様、
住宅基礎部分だけが残された景色が広がっていた…。

その後、レンタカーを走らせ、東松島市野蒜地区を経由して
宮城郡松島町の「松島さかな市場」へ。
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観光地として有名な松島は、点在する小島が防波堤となり、
津波の被害は最小限に食い止められた地区ではあるが、
外国人観光客の減少や原発事故の風評被害などによって
海産物などの売上が減少しているという。

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松島の海産物が一度に楽しめるオススメの「春の陣 正宗丼」。

その他、「45分2,000円で焼がき食べ放題」など、
活気に溢れた市場は、松島を訪れた際に是非とも立ち寄ってほしいスポット。



今回のツアーを通して感じたことは、
「真の復興とは何なのか」
「3年という月日は何だったのか」
「時間の経過は人にだけ流れるのか」
という大きな疑問だった。

仮設住宅にしても
被災地にしても…そこに暮らす人々はしっかり前を向いている。

しかし、
変わり果てた地元の姿に、どのような未来を描くのか…。
どうすれば本当の「復興」となるのか…。
それぞれの想いが交錯していくなか、時間だけが過ぎているようにも思えた。

だからこそ、小さくとも地道に…そして着実に進むしかない。
遠く離れた福岡からでも、出来ること・続けられることを
考え、感じ、実行していくしかないのではないだろうか。

今回得たヒントを大切に活かし、
本プロジェクトの次策をしっかりと決め、
実施したいと思う。


プロジェクト・大濠SPIRITS
責任者 安部晃之輔

 

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